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もっとさっさとやっておくべきであった。

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??ルートウィッヒ・フォン・ヴィトケンシュタイン


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どんどん決めて、どんどん動け !
吉越流「即断即決、即実行」のすすめ

書誌

author吉越浩一郎
publisher実業之日本社
year2010
price1400+tax
isbn978-4-408-10857-5

目次

1感想
2抄録

履歴

editor唯野
2016.12.21読了
2017.5.15公開

「即断即決、即実行」ということにフォーカスして解説した本。全くその通りだと思うので、私からもそれ以上にいうことがない...

抄録

1

しかしどんなによく考えられた優れたプランでも、締切に間に合わずに「実行」されなければ、存在しなかったのと同じです。また考えることに時間を使いすぎ、切羽詰ってから行動したのでは、やはり良い結果を出すのはむずかしいものです。

2

それならば、「頑張り方を変えてみましょう」というのが本書の提案です。

キーワードは「どんどん決めて、どんどん動け !」。

あれこれ考える前に、「前倒し」で「即断即決、即実行」を行うのです。

具体的には、6~7割のできの計画で、まずは走り出し、実行しながら完成度を高めていけば良いのです。

2

不断の下準備がモノを言いますが、そこにこそ本当の頑張り方があります。これまでの根性論や体力勝負一辺倒から卒業して、客観的にきちんとした成果を出して、その結果や中身で勝負するための頑張り方を身につけるのです。

シンプルな考えですから、だれもが採り入れられます。

ただし、シンプルなだけに実際にやりきれるかが勝負の分かれ目です。そこで、デッドライン(締切)の仕組みを持ち込み、必ず最後までやりきる意識を持ち、完了するまでチェックしていくことが重要になります。

16

優れた工場部門を擁しながら、これほどに労働生産性が低いとされているのはなぜでしょうか。それは、いわゆるホワイトカラーの部分が足を引っ張っているのです。

18-19

つまり、会社は会社としての目標を達成するために社員個人に情報と目標と裁量を与え、社員はその与えられた目標を達成するための義務と責任を負うという、とてもシンプルな関係です。

19-20

その結果、自分で判断できることは「即決即断」して、「即実行」に移す。問題が複雑で人の仕事とも絡まり合うようなケースや、与えられた権限上、自分独りでは判断ができない問題についての解決策は、上司にも同僚や部下にもその論理を詳しく説明し、周囲とディスカッションしたうえで判断を下し、やはり即実行する。

ただ単に相手をやり込めることが目的でなく、ましてや自分の仕事を有利に進めることが目標であってはならず、会社のために最善の結論を出すことが肝心だという大人の立場をお互いが知り抜いていると強く感じます。もちろん、人間が絡むことですから、すべてがスムーズに進むとはいいませんが、感情的な側面が限りなく抑えられて、より論理的な側面で物事が進捗していくのです。

だから、仕事にスピード感が出て、どんどん片づいて行きます。

27

そうならないように(自分の仕事の遅さが会社に影響を与えないように:唯野注)、とにかく自分の仕事を片っ端から片づけていく。それも、仕事や会社の優劣を決める大きな要素は「徹底度」ですから、中途半端でなく徹底して行う。こうしたことが大切なのは、だれでもわかるはずです。

27

ただしそうはいっても、予想以上に手強い課題に直面するケースも多いでしょうから、できるだけ早期に取りかかる。つまり、すべてをどんどん「前倒し」で着手していく。そういった仕事のやり方をしていくのです。

28 cf.29

課題についてよく考えようと、判断に時間をかけている間に、状況が悪化することも多いものです。

32

判断のための時間を取って考えるにしても、そのスピードアップを目指す。そして判断したらそのままにせず、すぐに実行に移す。それが「即断即決、即実行」「前倒し」なのです。

33

あなたがリーダーであれば、各人の意識改革がより進むようにバックアップしたり、それらが習慣として定着するような制度をつくったり、環境整備をしていかないと定着させるのはむずかしいはずです。

34-35 cf.37/42

不安があるのなら、どこがネックになりそうか事前にチェックし、対応をきちんとすれば良いだけの話です。「即断即決、即実行」とはいっても、決してやりっ放しではなく、要所要所でしっかりチェックし、必要ならば修正を加えていくのは仕事をするうえで当たり前のことだからです。

しかも「前倒し」で対処しておけば、チェックや修正も容易です。

即ちPDCAサイクルを回すということ。

36-37

さらに、会社にはルーティンワークとして毎回、似たような判断が求められる一群の仕事があります。

これらについてはマニュアル化し、常にそれを見直して改善しつつ、皆が共通の財産として判断材料に使えるようにし、各人の判断スピードを少しでも短縮する助けとしました。同様に、ITを使ってシステム化などを進め、ルーティンワークにおける各人の負担を軽減するようにもしたのです。

40

一般的には、計画にも100%の完成度を求めたがります。しかし、完璧な計画なんてまずあり得ないことは、皆さんご存じのとおりです。

41 cf.46

限られた時間で残業もせずに、多くの課題と向き合わなければならないビジネスの現場では、頑張ってできもしない完全を狙う「巧遅」より、現実的でコストパフォーマンスの高い「拙速」を狙うほうがベターな選択だと思います。

ここで注意すべきは、「拙速なのだから判断は適当で良い」ということでは、もちろんないということです。どの段階であろうと、判断には全力であたるというのは大前提なのです。

51 cf.50/150

決断を迫られるような状況になるまで熟慮や熟考を重ねていると、「エイヤー」とばかりに感覚に任せた判断に走りがちです。それでうまくいくことがあるかもしれませんが、通常は満足のいく良い結果は得られません。仕事でも私生活でも、決断を迫られてはいけないのです。

それでは、なぜ決断を迫られたり、熟慮、熟考したりしてしまうのか ? いろんなケースがあるでしょうが、多くは自分で判断するために必要な情報を十分に持っていないからです。必要十分な情報を持っていて、その情報をそれなりに論理的に分析すれば、自ずと判断できるのですから、決断する必要などなくなります。

このように著者は判断と決断を区別しており、決断にネガティブな意味を置いている。

52 cf.54

現場に行き、現場の人と話す、現場の状況を見る、そうすれば無条件に答えが出るはずなのです。ところが、情報を取りに行かないから判断が遅れ、情報が足りないままに「決断」することになってしまう。こういうことは避けなければなりません。

53 cf.64

「即断即決、即実行」を擦れば、仕事でも人生でも失敗はあり得ません。そう言い切る根拠は、前章でもご紹介したように、「前倒し」で「即断即決、即実行」をし、実行段階でもそのことをくり返し、修正を加えながら先に進めていくことになるからです。

56

リーダーとしてぜひ気をつけてほしいのは、日頃からリーダーも部下もまったく同じ情報を持ち、それによって判断を下せるようなオープンな状態にしておくということです。「同じ情報を持てば同じ判断ができる」はずですから、新しい追加の情報が入り、判断の変更をせざるを得ない状況になっても、なぜ変更するのか全員が理解も共感もできます。

59

「前倒し」という場合、常に物事に早め早めに対処するという意味と、そのときはとくに必要とされていないことでも、将来に備えて事前に「下準備」をしておくという意味があると思います。

60

要するに少しでも時間があったら、自分の担当している分野について、時には担当の分野以外でも、関心を持って勉強しておく。仮にその時間にほかの人が、「今日の仕事は一応終わった。もう何もしない」とゆとりモードになっていたら、その差が将来、大きく響いてくるということです。

61

私たちは何か気にかかる問題のまだ小さなタネでさえ、見つけたらすぐにでも「前倒し」で解決に取りかかるべきです。しかも、やり方としては「即断即決、即実行」を心がけます。判断を先送りすると、ロクなことにならないからです。

62/63

判断が遅れて後になればなるほど、問題が大きくなったり複雑になったりするので、そうなる前につぶしていくことが必要です。問題が大きくなってから、一気に片づけようとすると、多大な労力と時間がかかります。問題が小さいうちにコツコツとつぶしておけば、そのときに多少時間はかかっても簡単にすむのです。

こうしたことでよく引き合いに出されますが、クレーム処理などは、まさに「前倒し」で「即断即決、即実行」していくことが好結果につながる、格好の例ではないでしょうか。

70-71

斬新な企画でヒット作も多く発行している、幻冬舎社長の見城徹さんが「これほどの努力を人は運という」とおっしゃっていると聞いていますが、Bさんがずっと続けてきた努力の一部について、そのことをわからない人は運だと見るのです。

ここで大切なのは、どれだけ努力したかというその量だけではなく、努力の質についても問われることです。-/-

71 cf.72

細かいことのように感じますが、「悪魔は細部に潜む」と言われるように、こうしたことの影響は後々ボディブローのように“効いてくる”のです。-/-

要するに、仕事というのは徹底度なのです。あなたは仕事をするときにそこまで徹底できていますか ? できていない人が大部分だと思うのです。

74 cf.83

-/-思いを実現するなら、「アスピレーション = やり遂げようとする熱望」を燃やして、コツコツと地道な努力を続けることが絶対に必要です。

75

そうすること(デッドラインよりも前倒しで仕事を終える:唯野注)によって、「前倒し」で仕事を終えたという爽快感を味わうことができますし、同時に満足感も得られます。それだけでなく、その仕事上で気づいたことがあれば、修正を加える余裕を持つことができます。このことは非常に重要で、残された時間というのはそういった形で過ごすべきです。

79

たとえば市場の動向や景気の変化、こうしたものはすべて「与件」です。与えられた条件であって、自分では変えようのないものなのです。与件についてぼやいてみたり、与件を失敗の理由にしたりしていても何も始まりません。

87

仕事や大事なことを行なうのに、単にやすみやかに順序立てて「行動」するだけでは、まだ十分ではありません。常に目的を明確にして「実行」しなければならないのです。そこに私の問題意識があり、本書では(「行動」ではなく:唯野注)「実行」に統一してその方策を紹介しています。-/-

89-90

「即断即決、即実行」に必要な要素。

    ?必要十分な情報
    ?自分に対するインプット
    ?現場感覚
    ?論理的な考え方
    ?その上で判断し早めに実行?完成させる

94/95

本当の「実行」というのは、最終的な目的を達成するために「即断即決、即実行」を繰り返し、きちんと結果につなげることです。

このように、リータ゛ーというのは実行する人のことです。実行して物事を「完成」させることがリーダーの最大の仕事なので、それができなければ何の価値もないのです。たとえリーダーがどんなに良いアイデアを持っていても、実行し、完了されない限り、それは「机上の空論」として片づけられてしまいます。

100/100-101

少なくとも最初の選択は、「戦略」をどうすべきか考えることではないと思います。まず必要なのは、緩んだパイプの継ぎ目を締め直したり、穴をふさいだりして、水漏れを止めることです。そこから入っていかなければならないはずです。手をこまねいているうちに、水漏れはどんどんヒドくなるのですから。

しかし、現場で部下と一緒に防水テープを貼っているリーダーなら、対症療法的な作業をするうちに、「これだけを続けていてはしょうがない。ダメな部分のパイプを避けて、バイパスとなる新しいパイプを入れよう」と、抜本的な改善策を考えることができます。これが戦略です。

103

環境や機会が人をつくります。強いリーダー、できるリーダーを目指すのならば、自ら厳しい環境に自分を置くことが必要です。厳しい環境の中で仕事をする機会を得て、そこでやり抜くことができると、本人の自信につながります。自信が持てないと人は成長しません。

104

こうして、経験の積み重ねとしての前例、そこから得られる直観力、磨き上げてきたマニュアル、あるいは整理整頓されたきれいな机などを持つと、それらがあたかもその人の“道具”のようになって、あらたな課題について「即決即断、即実行」をする際には大きな助けとなります。

105-106

本来、想定できないようなことに対して道具を準備したり、石やレンガを積み上げたりすることは、決してラクなことではありません。ですから平素の積み重ねが大切なのであり、それをしているかどうかによって後々、大きな差となるのです。

経験を重ねることによって、どう準備すればいいかがわかってくる面もありますから、道具箱の内容はその人の実力と言えるかもしれません。

ある程度予測された状況に対して道具が準備されている場合は、まだ実力は大したことはありません。不測の事態に強くなれることが真の実力だと思います。

106 cf.107

要するに、「直観力や前例やマニュアル」などの道具は、固定してしまってはいけないということです。これを改善し続けることを徹底して行うべきです。

109/110

然しそんな猛者でも、“世界標準”のビジネス社?委では、周囲に太刀打ちできないと痛感させられてしまった。そのことを思うと、多くの日本人の仕事ぶりは、残念ながら“世界標準”とは程遠い低レベルだと認めざるを得ません。

自分の考えを論理的にまとめ、それを周囲にもわかるように論理的に伝え、ディスカッションして正しい結論を導くことができる。それが成熟した大人の要件だと考えると、欧米人と比較して日本人の多くは未成熟であり、まだまだ子どもだと言われても仕方がないと思えるからです。

111

論理力が弱いと何がマズいのか。それは課題に直面した際、その時々の感情や気分で判断することになるので、正しい結論を出すことがむずかしくなります。これは致命的とも言える問題です。

また、正しい判断の基準というものが、自分の中に蓄積されない。たまたまあるケースでは正しく判断でき、その課題を解決することができても、その体験が次回に活かされるとは限りません。次に同じような課題にぶつかったときでさえ、きちんと解決できるかどうもわからないのです。

114-115/115

私が職場を同じくしたドイツ人たちは、どんどん自分で状況判断をして、どんどん実行していく働き方をしていたことを先にご紹介しました。しかし誤解して欲しくないのですが、彼らは自分勝手に個人的な判断を下していたわけではないのです。

お互いの判断については口角泡を飛ばして主張し合うわけですが、目的が明確ですから、議論の方向性が妙にブレたりすることはとても少なかったように思います。

116

仕事上の議論であれば、会社にとって一番良い結論を出すという明確な目的意識を皆が共有して、そのうえで真剣に議論し合うことが重要です。それが日本の会社の会議などでは、できていないようなのです。

118-119 cf.119-121

時折見かけるのですが、自分の力を見せつけるために、部下に必要な情報を渡さないリーダーがいます。そんな姑息なことはせず、部下との勝負はこの分析力・常識力・判断力の部分で競うのです。もしここでリーダーが判断ミスを犯せば、情報を共有する部下からきちんと指摘されるような組織をつくることです。

124

リーダー自身も同じで、厳しい環境で仕事をするように自分を追い込み、そこでやり抜くことが大事。社長さんが集まった会で、「誰かに鍛えてもらって社長になったと思う人は、手を挙げてください」と言うと、一人も手を挙げません。教えてもらって偉くなる人はいないのです。全部自分で学ぶものなのです。

125 cf.127/129

経験というのも当然、能力を形成するものの中に入ってきますから、部下にはできるだけ場を与え、自分で自分を鍛えていくように仕向けるのです。

130-131

厳しい局面になると、「オレがやったほうが速い」と、部下に仕事をまかせるどころか、なんでも最前線に立ちたがるリーダーがたくさんいます。プレイング・マネジャーというと聞こえは良いのですが、これではいつまで経っても部下は戦力にはなりませんし、チームの力も上がりません。

また、日本のリーダーたちには、部下の一挙手一投足まで、自分の思うように動かそうとする人がとても多くいます。自分の過去の成功体験にしがみつき、こういう場合にはこうしなければならないという、古い“常識”に凝り固まってしまっているのです。仕事の環境はどんどん変わっているのですから、それでは競合から遅れをとるばかりです。

131-132

しかし、ある程度の経験を積んだ部下にホウレンソウを強いると、彼らは自分で考えることをしなくなり、上司への依存から抜け出せなくなってしまいます。これでは、自立した個として仕事を楽しみ、キッチリと成果を出す、欧米に多い優れたビジネスマンたちが集まったような、強いチームなどできるはずがありません。

134 cf.142

とにかく任せることが重要で、「そこをこういうふうにしなさい」などとやり方を押しつけることは、できるだけしないようにします。なぜなら、部下を鍛えることが目的なのですから。

ただ、任せきってしまってもいけません。デッドラインを設定して要所要所で、進行具合や間違った方向に進んでいないかなど、きちんとチェックするのです。

136 cf.138-140

この際、部下の判断にOKを出したとたんに、責任はこちらのものとなります。仮にそれで失敗したとしても、計画に対して「それでいいから」と判断し、「やれ」と実行してもらったのですから、私が100%責任を負わなければいけません。

私は、会社というのはトップダウンが基本だと考えていますが、これがトップダウンの責任のあり方だと思います。

担当者に「計画」させ、計画の最終判断はリーダーが下し、「実行」はやはり担当者が行う。実行段階も担当者に丸投げするのでなく、リーダーが自らの責任を果たすためにデッドラインが来るごとに間に入り進捗をチェックし、でもあくまで担当者のやり方で実行してもらい、さらに結果をチェックする。結果に不具合があれば、また「即断即決、即実行」で修正させるのです。

146 cf.160

このように、仕事の優先順位については、リーダーは部下に任せきりにするのではなく、会社の仕事全般に目配りしながら、関与していくことも必要です。こうした形で、会社の仕事を部下とともに回していけるリーダーがいると、ものすごく効率的で有効に会社が回るようになります。

仕事全般は優先度と重要度のマトリクスで考える。また、その意味でもデッドラインを設ける。

151

そうした場合(課題を先送りにしてしまう場合:唯野注)は、「迷ったら現場に戻れ」で、現場に行って必要十分な情報を手に入れると、迷いがなくなります。そうなれば、捨て身の一か八かの「決断」ではなく、だれもが納得できる「判断」が可能になります。私利私欲を排して論理的に考え、一般常識で倫理上にいっさい問題がないのなら、会社にとってベストな判断をすれば良いだけですから、むずかしいことではありません。

152-153

-/-しかしどんな理由にせよ、考え方の基本的としては、外的に与えられた条件について四の五の言う前に、「やるしかない」ということです。「与件に文句を言うのは時間のムダ」なのです 。

154-156

結局、人は面白く感じられる仕事のほうを優先するので、厄介に感じられる仕事は後回しになって“宿題化”します。宿題化すると「やらされるもの」として、さらに面白味が感じられなくなり、“やっつけ仕事”として処理レベルが低くなっていくという、良くない循環ができてしまいます。

157

そうであれば(権限が与えられていない場合:唯野注)、まず小さな実績を積み上げることです。-/-

156

課題を先送りにしても、良いことは何もありません。-/-

164-165

“良し悪し”で考えれば、とくにそれが仕事に関する内容であれば、自分勝手な言い訳で先送りすることなど許されません。でも、正論は窮屈で人を追い込むだけかもしれません。それならば、「よしわかった」と「性弱」を認めた上で、チャレンジさせざるを得ない状況をつくるほうが実際的ではないでしょうか。

169

こうした意味でリーダーとされる人たちが、その使命を果たすために求められるのは、次のようなことではないでしょうか。


①情報をチーム内でオープンにして共有化する
②実行すべき内容を部下に納得させる
③チームを成功するまで引っ張っていく
④適切で迅速な判断ができる
⑤結果で部下、上司の信頼を勝ち得る
⑥厳しいが明るく楽しい雰囲気づくりをする

170-171

仕事は論理的に進めていくもので、その共通理解のもとで「即断即決、即実行」を行います。ただしリーダーには、論理的思考と同じくらい「野性味」が大切だということは、その時々に例を挙げつつ申し上げてきました。

野性味といっても、乱暴なことをしろというのではありません。どんな課題にも逃げ腰にならず、「アグレッシブ」(aggressive = 攻撃的、積極的)であれということです。食うか食わるかといった状況においては、自分を野生に委ね、すべての感覚を研ぎ澄まし、どんな状況が起きても対応できるようにしておくのです。

173

常識的に考えれば、「そこまでやらなくてもよいだろう」と思うことでも、自分が必要だと判断したら、積極的にチャレンジすべきです。その背景になるのは、なんとしてもやり切らなくてはいけないという気持ち、「アスピレーション」(aspiration)を持っているかどうかだと思います。

会社にとっては、途中でやめてしまうぐらいだったら、初めから何もしないほうが良いのです。「成功するまでやり切れば、必ず成功する」、この精神をチーム全体が持ち続けるように、常に意識づけを行うようにするのです。

174

ですから、ある意味で「イヤだ」「苦手だ」と感じるような仕事にこそ、積極的にチャレンジして、それによって実力を蓄えることが必要です。

175

デッドラインについては、必ず自分の周りに導入するようにします。それは自分のためにも、会社のためにも大変良いことです。

176

実際は、初めの頃はデッドラインがつきすぎてしまい、自分やチームがパンクしてしまいます。つまり、その日のデッドラインを消化し切れなくなってしまうのです。それまで自分や会社が日本の平均的なレベルだったとすると、いかにルーズな仕事をしていたかということが、デッドラインを引き始めたとたんにわかります。

179-180

ちょっと厳しい言い方ですが、何事も自分で直接経験しないと学習できない人は、レベルの低い人です。ほかの人の経験したことでも、それをお手本に必要な必要なことを抽出して、どんどん自分の知識や知恵に変えていけば良いのです。書物を読んだり講演を聞いたりしても、ヒントはいっぱいあるはずです。

仕事上で必要となる知識や知恵で、まったく新しいことなどまずありません。以前に必ずだれかがトライしているはずなので、他人の成果、なかには失敗も、貪欲に探り、自分で「これだ」というものを見つけ出す努力をします。そうして得た知識や知恵を、必要なところで使えば良いのです。

ただしそれはあくまでアイデアの部分ですから、それが1%の割合になるまで、99%分の努力を積み重ねなければモノにはなりません。そのときに実行力を発揮して社内やチーム内に根づかせることが必要ですが、ここで皆、失敗して諦めてしまうのです。やはり言えることは、「成功するまでやり切れば、必ず成功する」です。

183

いずれにしてもインターナショナルベースでは、英語のウエートが増しているということですから、英語によって多くの外国のことも吸収できるようになっていると言えます。積極的に英語を習得し、海外に出て外国について詳しく知ることで、さらに日本や日本人について理解を深めることができると思います。

187

仕事の世界では競争が顕著で、個人はもちろんのこと会社同士でもお互いに死力を尽くしています。近年ではそこに、国内の会社だけでなく外国資本まで加わるようになり、競争はさらに激しくなっているのが現実です。

188

とくに責任重大なのがリーダーです。会社はリーダーで大きく変わります。この人たちが野性味を持ち、攻撃的、積極的に仕事に邁進して実力をアップさせないと、会社の競争力も格段に下がってしまいます。

189

じつは、このことは仕事に関してだけではなく、私生活でも同様なのです。人生で直面するさまざまな課題について、先送りせずにどんどん片づけていくと、私生活でもやはり良い方向に人生が転がり始めます。

190/190-191

ただし、仕事とか会社の目的をはき違えてはいけません。仕事については、まずはきちんと結果を出すことを優先する必要があります。そのうえで「和気あいあい」の関係が持てるというのが一番です。良い意味でリーダーシップが効いている会社で、業績がどんどん上がるようになると、そういった状況をつくり出していくことができます。

時には周囲と摩擦が生じても、お互いに言うべきことは言い、やるべきことはやらねばなりません。会社はそのことに給料を払っているのであり、社員はそれに応える義務と責任があるのです。

192

つまり、「仕事菓子生活のどちらか」という“単線”の人生ではなく、「仕事も私生活も」という“複線”の人生を歩むことが重要になってきます。

194

週末に、体力を使い果たしてうたた寝をして過ごすのと、次の週の仕事に意欲的に取り組むために好きなことをして過ごすのとでは、時間の使い方として根本的な違いがあります。しかもその時間が何十年と毎週、積み重なっていくわけですから、人生そのものに大きな差がつくことになってしまいます。

196

私も、最初から「こうしよう」「こうすべきだ」と、確信を持って進んできたわけではありません。以前には、「この仕事はやりたくない」と先送りしたことも少なくありません。ただ体験上、そんなことをしても何も良いことがないと実感したため、だんだん先送りはしなくなりました。

意識が変われば習慣も変わりますし、習慣が変われば意識も変わります。

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