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ビゴー日本素描集

書誌

authorビゴー
editor清水勲(編)
publisher岩波文庫
year1986
price520
isbn0-335561-X

目次

1感想
2抄録

履歴

editor唯野
2000.9.2x読了
2000.10.7公開
2001.1.14修正

明治期に来日(1881-1899)し当時の和洋折衷な日本の姿を書き残したビゴーの漫画(もちろん当時の挿絵的なもの)を扱った本。本書に収められているのは、鉄道・兵士・芸者・娼婦・女中のそれであるが、いずれも独特の雰囲気があっておもしろい。よく言われることであるが、わずか 100 年前のことであるのに、我々はいかに自分の国ことを知らないことか。もちろん、それは私自身も含むのであるが、そういう意識の距離を埋める意味でも本書は意義があると思う。特に鉄道が一等から三等まで分かれており、靴を抜いで座っている乗車風景などは新鮮だった。(なお、巻末には詳細な小伝・年譜などもあり便利である。そういえば一昔前の文庫だと古典的な作品ではこういう解説のしっかりしたものが多かった気もするが、最近は珍しくなったように思う。)

抄録

16

切符という「手形」を購入して列車に乗るという習慣は、当時の日本人には全く新しい体験だった。つまり、不特定多数の人に発行する有価証券としての「乗車券」の珍しさ。当然ながら鉄道の普及は長距離輸送、近県旅行、都市への人口流入といった新しい世相をもたらした。

26

田舎において列車の珍しい時代では、乗るときに靴を脱いでしまう人があったという笑い話。

28

日清戦争の勝利によって社会の中における軍人の地位も上った。

30/34

日本で最初の時刻表を市販したのは福沢諭吉で、明治 27 年 10 月のことだという。そして、駅弁の方は、明治 18 年 7 月に大宮・宇都宮間開通時に大宮駅で売り出されたのが最初らしい。

42/44

戦前における「甲種合格」という言葉。徴兵検査で「身長五尺以上で身体頑健な者」への合格証。明治 5 年の徴兵令によって軍事は士族の仕事という考え方が変わっていく。日清戦争当時で満 17 歳から 40 歳までの男子は全て兵役が義務付けられ、17 歳以上であれば志願により兵役に服すことができ、一般には徴兵検査に合格すると満 20 歳の時点で 2 年間の兵役が課せられた。罪人、官吏、公立学校生徒、洋行学生、代人料上納者(270 円)、家長、嗣子、独子独孫、養子、徴兵在役中の兄弟などは徴兵が免除されたが、夏目漱石など合法的に兵役忌避を行う者もいた。

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