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エレンディラ

書誌

tagラテン
authorG・ガルシア・マルケス
editor鼓直, 木村榮一(訳)
publisherちくま文庫
year1988
price480
isbn480-02277-5

目次

1感想

履歴

editor唯野
1999.8.1x読了
1999.8.18公開
2002.11.28修正
2012.1.17タグ追加

ノーベル賞作家(1982)、ガルシア=マルケス(コロンビア 1928-)の著名な長編『百年の孤独』と 『族長の秋』 の間に書かれた短篇集。全般的に幻想的な作風、そして印象的な終わり方の作品が多い。珍しく時期を隔てて読み進めた本だったが、十分におもしろかった。本書ではあるできごとをきっかけとして人が集まり、それがまた消えていく、そこで織り成される物語という点ではつながりのある構成となっているが、個人的には冒頭の「大きな翼のある、ひどく年取った男」がよかった。これは、要は翼を持った男が飛び去っていくというだけの話であるが、それでも冗長な説明のないままに物語は進行し終わってしまうというラテン文学的要素はしっかりと存在している。

ちなみに、ラテン文学はよく、その幻想(非日常)性でドイツ文学とも比較されるが、解説にはこの違いを示す興味深い言葉が紹介されている。それは同じくラテン(キューバ)の作家であるアレホ・カルペンティエルのもので、「ラテンアメリカにおいては現実そのものが驚異的なので、シュルレアリストのように人工的に脅威を作り出す必要がない」というものだ。これは個人的にも、いい得て妙だと思った。

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