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影との戦い ゲド戦記

書誌

authorアーシュラ・K・ル・グウィン
editor清水真砂子(訳)
publisher同時代ライブラリー
year1992
price850
isbn0-260100-5

履歴

editor唯野
1999.9.14読了
1999.9.16公開
2001.7.21修正

非常におもしろいです。魔法使いが自らの過ちによって生まれた「名のない影」と戦い、そしてそれを自らのものとすることで世界の秩序を取り戻す??こう聞くと平凡なファンタジーのように思われるかもしれませんが、完成された「アースシー」の世界観と、便利に見える魔法の力の限界、そして光と影の力の均衡というバランスの在り方に根ざしたこの物語は、月並みな賛辞以上のおもしろさを持っています。うまくはいえないのですが、ライトノベルズのような魔法の都合のよいところだけを取り上げたような物語との違い(もちろん、それはそれでいいところもあるのですが)にこそ注目すべき点があるように思います。

ちなみにゲド戦記には『影との戦い』『こわれた腕輪』『さいはての島へ』『TEHANU』があるそうです。また、著者の他の作品としては有名な 『闇の左手』 や『夜の言葉』などがあります。機会を見てまた読んでみたいと思います。

主要登場人物

ハイタカ(ダニー/ゲド) - ゴント生まれの魔法使い 主人公
オジオン - ゲドの師匠の高名な魔法使い
カラスノエンドウ(エスタリオル) - ハイタカの友人
ヒスイ - ロークの学友 ハイタカと常に対立する
ペチバリ - 船大工
ネマール - ロークの学院長。ゲドの生んだ影の魔力と戦う
ジェンシャー - ネマールの後任の学院長
セレット - テレノン宮殿の主(ベンデレスク)の妻 ル・アルビの領主の娘

抄録

16

-/-だが、ただ必要だからといっただけでは、力は発揮されない。智恵もなくてはだめなのだ。

77

-/-宇宙には均衡、つまり、つりあいというものがあってな、ものの姿を変えたり、何かを呼び出したりといった魔法使いのしわざは、その宇宙の均衡をゆるがすことにもなるんじゃ。-/-

85

-/-そう、魔法使いの力にかなうものは、自分の身近なもの、つまり、全てを正確に、あやまたずに、その真の名で言い得るものに限られるんじゃ。-/-

128

-/-「そなた、子どもの頃は、魔法使いに不可能のなことなどないと思っておったろうな。わしも昔はそうだった。わしらはみんなそう思っておった。だが、事実はちがう。力を持ち、知識が豊かにひろがっていけばいくほど、その人間のたどるべき道は狭くなり、やがては何ひとつ選べるものはなくなって、ただ、しなければならないことだけをするようになるものなのだ。」

130

ロークの九賢人について

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