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辺境の惑星

書誌

authorアーシュラ・K・ル=グィン
editor脇明子(訳)
publisherサンリオSF文庫
year1978
price280
isbn78502-Y

履歴

editor唯野
2003.10.21読了
2003.10.29公開
2003.11.6修正

ル=グィン、サンリオ SF 文庫、竹宮恵子の表紙 ! これはもう買うしか ! という本である。本作はル=グィンにとっては SF 第二作となるもので、解説でも語られているように通俗的な言葉でまとめるならばオーソドックスな SF 作品である。

それはそれとして、本書の値段を見ると文庫にもこんな時代があったのねという感じである。最近は文庫本といいつつ既に桁がひとつ違うような気がするんですが...

主要登場人物

ロルリー ウォルドの娘<!-- アルテラの妻になる -->
アルテラ ファーボーンの若きリーダー
(cf.48-51 彼の仲間たち、54/116 ファーボーンについて)<!-- 遠くで生まれたもの、かつての惑星移民者たち -->
ウォルド トバールの長、cf.67/106
ガール族 襲撃をかけてきた部族
ウマクスマン トバールの一派の代表

抄録

196

「あんたやほかの何人かの傷が本当に感染したんなら、その事実はどうにかして説明されなくてはならんからな」

「畜生、適応がなんだってんだ。君らの異種交配と繁殖力に呪いあれだ !」病める男はそう言ってロルリーを見た。-/-

214-215 1978 年版への序文より

この物語はロルリーで始まりますが、やがてジャコブやウォルドに移り、それからまたロルリーに戻り、また移ってゆきます。これは視点が交互に変わる物語なのです。そしてそこでは男たちのほうが明らかに行動的であり、はるかにはっきりと自分の立場や考えを持っています。ロルリーはかたくなに伝統を重んじる男性至上の文化の中で育った、若い未経験な女であり、戦うとか性的交渉を自分からひきおこすとか社会の指導者になるとか、とにかく彼女の文化や一九六四年における私たちの文化において「男性的」だとされるような役割は何ひとつ演じません。にもかかわらずロルリーは社会的にも性的にも反逆者なのです。彼女の振舞いに攻撃的なところがないにもかかわらず、その自由への欲望は文化の鋳型を壊してとび出さざるをえないように彼女を駆りたてます。つまり彼女は見知らぬ自己と同盟を結ぶことで、自分をすっかり変革するのです。彼女は他者を選びます。この小さな個人的な反逆が、決定的なときにやってくることによって、二つの文化と社会を完全な変革と再生に導く出来事をひきおこすのです。

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