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魔法使いの弟子

書誌

authorロード・ダンセイニ
editor荒俣宏(訳)
publisherちくま文庫
year1994
price780
isbn480-02866-8

履歴

editor唯野
1998.11.0x読了
1998.11.6公開
2002.4.9修正

幻想文学の傑作として荒俣宏の紹介以降、我が国でも有名になった作品。実際、おもしろい。非常に隙のない物語という印象である。本作が児童文学というだけで終わっていないのは、影を失った者の悲哀や錬金術以上のものとは何なのか...といった読者の想像力を喚起させる場面に富むからだろう。

主要登場人物

ラモン・アロンソ 主人公
 魔法使いのもとへ錬金術を学びにいく

ゴンザルボ 主人公の父。貧しい領主
 娘を嫁入りさせる支度金作りのためにラモンに錬金術を学ばせようとする
 いのしし狩りに秀でており、魔法使いとは旧交を持つ

ミランドラ 主人公の妹
 グルバレスとの嫁入りをゴンザルボは考える

魔法使い ラモンが弟子入りした魔術師
 影を愛でて操ることができる
 黄金時代に君臨するその世界では高名な魔法使い

アネモネ 魔法使いの掃除女
 魔法使いからはドックウィードと呼ばれている
 影と引き換えに不死を手にするが、同時に俗世も失う
 ラモンと恋仲になる

公爵 スペイン王とも懇意の貴族。影の谷を治める人物
 惚れ薬(ラブ・ポーション)を飲みミランドラと結婚する

グルバレス 同じく領主だが強欲な男
 公爵を伴ってゴンザルボの館へやってくる

ヨゼフ 神父
 この土地では唯一の神の道に通じた人物
 ラモンと魔法(邪悪な取り引き)との関係を見抜く

抄録

16 黄金作りのすすめ

29

-/-人が技芸と呼ぶ修行のことごとく、そしてすべての智慧とすべての知識とは、ただ<術(アート)>とだけ呼ばれるわざにとっては、いわば序の口にすぎないのじゃ、とな。-/-

43/44

それにしても、人は自分の影のなにを知っているかね?-/-でも、あたしが自分の影を追いだしたからというので、村人たちはいっしょに住んでもくれない、いっしょに歩いてもくれない。-/-

恐怖と結びついた嫉妬(やきもち)が、こういう失せものをこころよく許してくれるはずのないことを、老婆はよく知っていたのである。

53

-/-「値打ちがあるものは、そのために大切にされるのであって、村人のご機嫌をうかがうためではないのじゃよ。それからな、馬鹿な俗民のうつり気な眼を魅きつけようという場合にかぎって、値打ちのないものは愚かにも求められるのじゃ」

眼(55)や影(86)との取り引き

嘘影(うそかげ)の正体。「縮みもせず、伸びもしない」(122)

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