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メインの森
真の野生に向う旅

書誌

authorヘンリー・D・ソロー
editor小野和人(訳)
publisher講談社学術文庫
year1994
price1,100
isbn6-159133-9

目次

1感想
2抄録

履歴

editor唯野
2000.8.3読了
2000.8.15公開
2002.4.9修正

ソローというと『森の生活(ウォールデン)』(岩波文庫)が著名であるけれども、こちらは書名の通り、著者の三度に及ぶメイン州の原生林への旅の記録となっている。解説を読むと時期を隔てて書かれているせいか、中身の文章にも変化が見られるそうであるが、個人的にはそれほど気にならなかった。むしろ、過去に『森の生活』を読んだときよりも、ソローの自然讃歌の文章が身近に感じられたような気がする。年を隔てて同じ著者でも別の本を読むと違う印象を持つものなのだなと感じた次第だった。

ちなみに本書では著者の旅の案内人としてインディアンたちが登場し、インディアンの言葉がそこかしこに登場する。おもしろかったのは巻末にインディアン語の一覧や植物の名前の一覧まである点で、これがとても興味深かった。日本でいえばアイヌの言葉のような、その土地の原住民たちが使う土地の由来などは、その意味をたどってみるだけでもおもしろかった。

抄録

39

-/-彼は、何気ない機知と抜け目ない賢さと、広い意味での知性を持っていたが、それはこの森の奥地で私が期待してはいなかったものだった。実際、森の奥へ入れば入るほど、そこの住民がより知的で、ある意味では洗練されているのがわかる。というのも、開拓者は常に旅人であり、ある程度は世慣れた世界人でもあるからだ。そして、その人のなじんでいる空間の距離が大きければ大きいほど、その情報も、村人の持っているものより広範囲で、はるかに深いものとなる。-/-

59

-/-川をゆく際には、どちらの方向が上流かをたやすく識別できないはずはないが、湖に入ると流れは全く見失われてしまう。それでどこから川が流れこんでくるか見出そうと、かなたの岸辺を目で捜してみてもうまくはゆかない。はじめての者は、やはりしばらくの間、進路に迷ってしまい、なによりもまず川を見つけるために探索の旅を始めねばならない。-/-

81

魚がまだ生きていて、色があせてしまわないうちは、最も美しい花のように輝いた。原始のままの川の産物として。彼らを見おろしていると、こんな宝石が、アボルジャックネイジェシック川の水に、なんと久しい間暗黒の時代を泳いで生きぬいてきたことかと思いながらも、それが信じられないほどだった。インディアンだけがながめたこの色鮮やかな川の花は、ここで泳ぐために美しく造られたのだ。なぜなのか、その訳は神のみぞ知る ! このために私は、神話の真実をプロテウス〔変幻自在の姿と予言力を持つ海神〕の寓話や、あの美しい海のあらゆる怪物たちのことをよく理解できた??実際、歴史は全て地上で使用されると、単なる歴史に留まってしまうが、天井に置かれると常に神話になる。その次第が納得できたのだ。

96

自然の厳しさについて言及した箇所。

104

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