ホーム > 読んだ >

オープンソースCORBA
MICOの実装

書誌

authorArno Pude, Kay Romer
editor(株)コスモユノー(訳)
publisher小学館
year2000
price3200+tax
isbn4-7978-2010-1

目次

1感想

履歴

editor唯野
?読了
2015.6.24公開
2015.7.8修正

本棚を整理していたら出てきたもので非常に感慨深い本である。これは私がCORBAの勉強をしていた頃にアキバの書泉で買った本であるが、当時はCORBAといっても訳書も少なくて、確かLinux Japan誌でこの本が紹介されており、それで飛びついて買ったわけである。

それで、どう感慨深いのかというと、その後から今までを通じて、これほどひどいIT技術書・訳書にあったことがない??という意味で感慨深いのである。よくC言語の入門書で誤植が多いだの、間違い(嘘)が書いてあるだの、実務で通用しないコードがあるだのという話を聞いたりするが、本書はそんなレベルではない。本書は原著がドイツ語でその英訳版があるのだが、その英訳版を当時の翻訳ソフトで翻訳したと思われる文章で掲載し、ソースコードもスキャンされたと思われる結果のまま掲載しているというひどさなのである。

なぜそういえるのかというと、本書をちょっと読むと「純粋に仮想的な関数」という言葉が出てくるが(p28他)、これはC++使いならば「純粋仮想関数」のことを指しているわけで、当然訳語も一般に流布している言葉に合わせるべきである。この種の例は少し読むだけで枚挙に暇がない。ビジュアルC++ -> Visual C++ (すぐ上の一覧にVisual C++とあるのに、p8)、オブジェクトオリエンテーション -> オブジェクト指向(p21)など、少なくとも訳者がOOPとC++に詳しくないのは、この時点で分かる。

そして、最初のソースコードを見ると(p25-26)、クラスのメンバ変数がlong_current_balance;と定義されている。当然、longの後にはスペースがないとコンパイルさえ通らない。更に、メンバ関数では_current_balanceと直っているものが、return文ではreturn_current_balance;となって、これまたスペースが抜けている。どう考えても、訳者はC++を知らないのが、これだけでも分かるわけである。

中身をろくに見ずに買った私にも非はあるけれども「ということは紹介をしたLinux Japan誌でも、ろくに中身を見ていないのだな」と思ったのは、今でも覚えている。いったん読み出した本を途中で放り出すというのは、その頃には非常に稀だったのだが、そんなわけで本書は30ページ以降は読んでいない。結論からいえば結局は英語版をCD-ROM付で入手したのだが... そんなわけで、これほどの外れを引いたこともなかなかないので、逆によく覚えているのである。反面教師にはなったとはいえるが、このままいくと生涯を通じてのワースト5の本に入るのではなかろうか。

# そういえば、よく書評で今年読んだ本のベスト3なんかは割と見かけますが、
# 外れを引いた場合のワースト3というのは見たことがありません。
# 映画だと普通に見かけるので、その種の企画があってもいいような...

Up