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minimalism DesignSource

書誌

authorEncarna Castillo
publisherHarper Design International
year2004
price?
isbn0-06-074798-6

目次

1感想
2抄録

履歴

editor唯野
2016頃?読了
2018.8.2公開
2018.12.9修正

ミニマリズムという観点で集められた世界各地の建築写真集。住宅だけでなく後半には公共建築や店舗も含まれており、B6判くらいのサイズだが600ページ超とかなり厚い本である。もっとも写真集なのでほとんどが写真で、一部に平面図などのプランが併記され、文章は簡単な解説が少々ある程度である。冒頭を始め日本人建築家の建物もいくつか掲載されているが、ざっと読み通してみて多いのはニューヨーク、スペインという辺りだろうか。

建築とひとことで言っても、その内容は非常に多岐に渡り、特に現代のように素材による造形の自由度が圧倒的に高くなった時代だからこそ、逆にミニマリズムのような視点が脚光を浴びるのだと思う。これは別に建築に限った話でもないが、私は最近あらゆるデザインにおける「引き算の難しさ」ということを強く感じる。何かを足すのは意外とたやすい。しかし何かを引いてなお過不足を感じさせない、ということは難しい。うまくいえないが、それまでの常識を疑ってみるというか、ある種の固定観念・殻を破ってみる必要がある。(コンシューマ向けコンピュータの世界で、それをソフトウェアのオプション化によってデザイン(見た目)はシンプルにまとめたのが周知の通りApple。)

もっとも、日本的な家屋という先入観を持つ私には軒や庇がほとんどない種類のミニマリズムは敬遠したくなるし、フラットな壁から家具が出てくるギミックを見ても自分で毎日それを片付けようとはしないだろうから、それは逆に納まりはミニマリズムかもしれないが、そこに住まう人間にとってはミニマリズムでないように映る。そう、だから引き算は難しい。

とはいえ、自分では思いつきそうもない建築の数々を見るのは十分に刺激的である。絵画やグラフィクスではなく現実にそれが存在するというリアリティこそが建築の発する力の魅力のひとつには違いないのだから。

# 抄録では日本人と思われる方の部分を紹介しておく。

抄録

46-51

Kita Moriko - Hakone House。冒頭に登場する家でコンパクトにまとまった週末別荘。ググってみるとオランダにいる方らしい。
cf. http://www.morikokira.nl/nl/projecten/weekendhuis-hakone/

64-69

Okada Satoshi - House on Mount Fuji。外部は完全に黒く塗装されているが、内部との対比が興味深い。
cf. https://www.okada-archi.com/en/works/house_in_mt_fuji.html

316-325

Sakamoto Akira - The Hakuei house。日本人建築家らしいシンプルさ。近いスタイルの方も多い気がする。
cf. http://www.akirasakamoto.com/works/private/002hakuei.html

332-341

Ban Shigeru Architects - The House Without Walls。名前の通りワンフロアの中に間仕切が一切なくトイレやお風呂のあるプラン。
cf. http://www.shigerubanarchitects.com/works/1997_wall-less-house/index.html

438-445

Teduka Architects - Matsunoyama Natural Science Museum。蛇を模した新潟の公共建築。
cf. http://archimaps.web.fc2.com/maps/niigata04.html

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