ホーム > 読んだ >

ピープルウェア 第2版
ヤル気こそプロジェクト成功の鍵

書誌

authorトム・デマルコ, ティモシー・リスター
editor松原友夫, 山浦恒央(訳)
publisher日経BP社
year2001
price2,200+tax
isbn8222-8110-8

目次

1感想
2抄録

履歴

editor唯野
2002.2.21読了
2002.2.28公開
2002.3.20修正
2013.5.26修正

ソフトウェア工学での著名書のひとつ。しばらく絶版状態だったのだが、書名からも分かるように第 VI 部を追加するかたちで第 2 版として復刻された。全体に通じるのは「ソフトウェア開発は高度な知的作業であり、だからこそ個性を抑圧しない(ヤル気を促す)管理・環境が必要なのだ」という点である。そのため、ISO や CMM のようなプロセスの標準化には懐疑的(というか反対 ?)的論調となっている。ただ個人的にはあまりそういう部分には関係なく、概ね素直に読むことができた。著者のトム・デマルコといえば構造化手法での大家でもあるのだが、本書と同時刊行された 『ゆとりの法則』 など、ソフトウェア工学での著作も多い。実をいうと 『デッドライン』 とを合わせて 3 冊をまとめ買いしたので、追ってそれらの本も紹介したいと思う。

抄録

1/6/41/42/43

新人管理者の陥りがちな人を部品(サブルーチンや電子回路)と同じように扱ってしまうことについて。だが、ソフトウェア開発において、そのようなファーストフード的発想ではうまくいかない。なぜなら、管理者の役割は、人を働かせることではなく、人を働く気(やる気)にさせることであり、裏返せばやる気を失わせないということだからである。

4/5

実際のところ、ソフトウェア開発上の問題の多くは、技術的というより社会学的なものである

管理者のほとんどは、技術面より、人に気を配っていると思い込んでいる。しかし、本当にそうしている管理者は滅多にいない。実際には、技術だけに関心があるという管理をしている。本来は、担当者が解決する技術的な難問を、自分で解くことに時間を割くのだ。作業を管理するのでなく、作業そのものをやっている。-/-

つまり、管理者が仕事の人間的な側面より技術面に注目するのは単に解決しやすいというだけに過ぎない。また、ソフトウェア産業はハイテク産業というよりも人間関係ビジネスといった方が正しい。(なぜなら、ソフトウェア技術者はコンピュータや新技術の装置を利用しているわけであって発明しているわけではないから。)

7/102

間違いを許さない雰囲気が社内にあると、担当者は消極的になり、失敗しそうなことには絶対に手を出さなくなる。部下が誤った判断をするのが心配で、開発手順をシステム化したり、厳格な作業規定を無理強いして、設計上の重大な決定をさせないと、部下はますます消極的になる。間違いを犯さないよう手段を講じたプロジェクトでは、平均的な技術レベルは、それなりに上がるかもしれないが、チームの空気は重く沈む。

全文を読まれる場合はログインしてください


Up