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サキャ格言集

書誌

authorサキャ
editor今枝由郎(訳)
publisher岩波文庫
year2002
price560+tax
isbn0-320901-X

目次

1感想
2抄録

履歴

editor唯野
2002.11.1読了
2002.11.4公開
2002.11.8修正

著者であるサキャ・パンディタは 13C チベットの人。博学な学者であり、モンゴル帝国とはチベット代表として外交交渉に当たったとされる人物。本書は、その著者による格言集で、解説にもあるように文学形式としてはインドのものを踏襲しつつ、原文は 7 音階から成る 4 つの句がひとつのまとまりとなる形式として記述されている。また、その中でも前半の 2 句で理を述べ、後半の 2 句でたとえを説くというものが多い。

チベットでは、今日でも「『サキャ・レクシェー』に通暁している人」とは教養人の代名詞であり、そもそものサキャ・パンディタという名前自身が「サキャの大学者」という称号(本名はクルガ・ゲルツェン)であるというところからも、かの地における本書の影響力は相当なもののようである。確かにチベット文学というと実際問題としてもほとんどが仏教関係らしいし、私もそういう書名しか耳にしたことがなかったから(例えば『チベット死者の書』など)、こういう本が手軽に読めるのはありがたいことである。

実際、なかなかの金言が並んでいるし、箴言から見るお国柄というのもおもしろいのではないかと思う。

# なお、引用するにあたり各項は項数ではなく通番より採った

抄録

2

人に功徳があるのかないのかを
見極める知恵を持った者が賢者である。
埃と混じった砂鉄を
磁石は吸い付けることができる。

13

賢者はいかに窮しても
愚者の道は歩まない。
ツバメはいかに喉が渇こうとも
地面に落ちた水は飲まない。

20

善と悪とは誰にでも分かる。
混ざった時に区別できるのが賢者である。
牛の乳を搾るのは誰にでもできるが
ガチョウは水から乳を分ける。

24

賢者は学ぶ時に苦労する。
安逸にいてどうして賢者になれようか。
小さな安楽に執着するものは
大きな安楽が得られない。

36

貴人はたとえ不幸に見舞われようとも
行いはことのほか高潔である。
火はいくら下に向けても
炎は上に燃え上がる。

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