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天皇、FDR(ルーズウェルト)、マッカーサー
20世紀リーダーの大行進

書誌

authorジョン・ガンサー
editor内山敏(訳)
publisher集英社文庫
year1988
price700
isbn8-760144-7

目次

1感想
2抄録
3323

履歴

editor唯野
?.9.18読了
2018.12.3公開

著者の人物論の著作の抄本でp464の後書きにある通り、以下の体裁を取っている。

本書は、『ヨーロッパの内幕』以来、ガンサーが出版してきた内幕シリーズから人物論だけ約五十篇を引き抜いて一巻にまとめた〝Procession(行進)〟のうち、さらに十五人に絞って訳出したものである。これらの人物はいずれも近過去の歴史を動かした主役ばかりだ。-/-

その上で実際に登場している人物は――ヒトラー、ムッソリーニ、スターリン、トロツキー、チャーチル、昭和天皇、蒋介石、ガンジー、FDR(ルーズベルト)、トルーマン、マッカーサー、チトー、ナセル、ドゴール、フルシチョフ――の面々である。

いずれも20世紀の世界政治を動かしてきた大物ばかりだが、確かに彼の人物論は割と正鵠を得ているように思う。ひとつは彼の視点に偏りが少なく、独裁者や自国アメリカの人物であっても、その長所とともに欠点をはっきり併記していること。また、来歴はもとより、力の源泉といったその人物の背後にあるもの、さらには好きなものや生活面などプライベートにも触れている点にあると思う。

15名を抜き出したとはいってもそれなりに大部の本ではあるが、一気に読める本である。彼が存命だったとして今の日本の政治家などはどのように書かれるのか、興味は尽きない。

抄録

12

この横顔は、『ヨーロッパの内幕』の初版(一九三六年)のテキストから抜いたもので、一九三五年に書かれ、『ハーパース・マガジン』一九三六年一月号にはじめて発表された。最初に発表されたときは、ちょっとしたさわぎをひき起した。それまでは、ヒトラーがどんな悪業をできるかは、まだ広範囲には理解されていなかったのだ。-/-

13

本章では一九三四年六月三十日の〝血の粛清〟に数回言及しているが、それを忘れてしまったか、あるいは年少のため記憶していない読者のため、これについて一言説明しておくべきだろう。ヒトラーは彼の「突撃隊」(SA)とドイツ国防軍(ライヒスヴェーア)との不和を調停しなければならなかった。紛争は目前に迫っていた。ヒトラーは約二百人の人間を狩り立て処刑させるという全く簡便な方法で、紛争を未然に防いだのである。処刑されたものの中には、彼の親友エルンスト・レーム大尉(突撃隊長)、かれの前の首相クルト・フォン・シュライヘア将軍も含まれていた。-/-

14-15

この布袋腹でチャップリンひげの男、不眠症と感激性になやまされたナチ党の党首、ドイツ陸海軍総司令官、ドイツ国民の指導者、創造者、第三国家の大統領兼首相は、一九八九年オーストリアに生まれた。出生はドイツではないのだ。このことは極度に重要な点で、それが彼の初期の国家主義をたきつけたのである。彼は辺境人(フロンティアマン)、追放された者の執念ぶかい愛国心を発展させた。オーストリア人だったからこそ、ゲルマン主義をあれほど真剣にうけとめることができたのであった。

16

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