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ゆとりの法則
誰も書かなかったプロジェクト管理の誤解

書誌

authorトム・デマルコ
editor伊豆原弓(訳)
publisher日経BP社
year2001
price2,200
isbn8222-8111-6

目次

1感想
2抄録

履歴

editor唯野
2002.3.1読了
2002.3.4公開
2002.11.28修正

『ピープルウェア 第 2 版』 と同時刊行された本だが、内容的に重複が多く、むしろ『ピープルウェア』の話題を異なる観点から論じた本という意味合いが強い。そのため個人的には『ピープルウェア』を精読しておけば、こちらはあまり読む必要はないという印象だった。

ただ、厚くもない本ではあるので??それというのも、著者自身、冒頭において「本書を読もうとしているからには、「忙しい」にちがいない。組織形態や経営理論に関する長大な論文を読んでいる時間はない。せいぜい、飛行機のなかで要点だけをさっと読む時間しかないだろう。」(p5)というように、それを前提にして書かれている部分があるので??そういう意味では理にかなった体裁とはいえる。実際、読みやすいからだ。

そのため、ある程度の冗長性を前提の上で理解を深めたいという人であればおすすめだが、前のパラグラフにそのままある通り、それだけの時間が本当にない人であれば、前著だけを精読すべきだろう。

抄録

12/15/43/171-172/183-185

変化を生み出すために必要不可欠となるのが「ゆとり」だが、それは「効率」とは相容れないものである。組織の再生が起こるのは中間層による協力によってなので、徹底的な合理化を図った組織(中間管理職を排除したフラットな組織)では変化の能力とコミュニケーションの盛んな空白地帯が失われる。健全な組織では、この空白地帯でこそ学習が行われるが、そうでない場合には競争が行われている。

ゆとりが生む最大の効果は環境の変化に対する対応が早くなることで、柔軟性や人材の維持、投資の余地の増加などは二次的なものである。変化とは投資であり、それには概念化と実現でコストがかかる。

22/117

組織の効率専門家がよく使う手抜きの方法のひとつは「個々の労働者が完全に代替可能なものとして仮定すること」である。しかし、それは知識労働には当てはまらない。cf.115

28/30

-/-経験からいって、知識労働者が時間によって複数の仕事を切り替えることによるロスは、15% を下ることはない。-/-

仕事の切り替えにともなう隠れたロスが、細分化されすぎた組織の資源を食いつぶしているかぎり、それで節約ができたと思うのは幻想である。知識労働者を分割すれば、忙しくみえるかもしれないが、その忙しさの大部分は、仕事を次から次へと切り替えることによる中身のない作業である。

36

やりがいと報酬が同じくらい重要なのは、知識労働者ならではである。知識労働者は、一世代前が管理していたブルーカラー労働者とは違う。知識労働者を管理するときに犯しがちな愚かなミスは、この違いを忘れて、100 年前の工場で作られた基本ルールが知識労働者にもあてはまると考えることだ。

37

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