お金は銀行に預けるな
金融リテラシーの基本と実践
書誌
author | 勝間和代 |
publisher | 光文社新書 |
year | 2007 |
price | 700+tax |
isbn | 978-4-334-03425-2 |
履歴
editor | 唯野 |
2008.2.10 | 読了 |
2015.10.8 | 公開 |
要は「一般の人もきちんとした金融リテラシーを持った上で、株式や債券といった金融商品も含めた資産管理をしましょう」という本である。特定の商品に肩入れしているわけでもないし、今どきこの程度の金融商品に対する知識は確かに必要だと思うので、その意味ではよくまとまっていておすすめである。だいたい類書を見ても、一般の人はその専門家でもない以上、インデックス型でリスクを分散させつつ長期での運用を目指すというものが多いと思うので、本書もその趣旨に適っている。最近では株式・債権のそれぞれを国内・国外も含めて全部セットにしてある商品も出てきているので、それで手数料が安いのであれば、検討する価値はあると思う。後は中国の景気次第というところだろうか。
抄録
4 cf.7/36
特に金融の一般的な知識に関しては、日本は同レベルの経済力を持つ他国と比べ、その知識の浸透が大きく遅れているのではないかと思っています。
19/22
日本の家計と欧米のそれを較べてみると、日本では現金・預金、次いで保険・年金など??安全資産?≠フ保有率が高く、これらに比べて株式や投資信託、債券など、??リスク資産?≠フ保有率が極端に少ないことがすぐに分かると思います。安全資産とは元本保証のある資産、リスク資産とは元本保証のない資産のことを指します。
そして、安全資産を多く持っているということは、家計に占める資産のほとんどを労働による収入に頼らなければならないことを意味します。ここに、日本と他国の差があります。-/-
30 cf.35
確定拠出型年金と確定給付型年金の違いについて。
33
逆にいえば、金融リテラシーを身につければチャンスがより広がることになります。なぜなら、金融リテラシーがあれば、株などの損益の変動は当たり前だと考えられるようになり、また、シナリオの変動を頭に描けるためにバタバタしなくて済みます。しかし、それを身につけていないと、損益の変動にアタフタし、結局、高いところで買って安いところで売ることが多くなり、「株や債券は儲からない」という印象を強くしてしまうのです。
または、そういう風潮を煽る理論的な裏付けを欠いた書籍の氾濫についても著者は触れている。 cf.155/156
34
著者の指す具体的な金融リテラシーの能力。
- 金融の役割について、直感的に理解できる力
- 金融の基本的な理論、徳にリスクとリターンの関係を理解する力
- 個別の金融商品について、情報を正しく入手する力
- 入手した情報から、コストを見抜く力
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