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小飼弾の「仕組み」進化論

書誌

author小飼弾
publisher日本実業出版社
year2009
price1500+tax
isbn978-4-534-04522-5

目次

1感想
2抄録

履歴

editor唯野
2015.1.22読了
2015.7.15公開

著者の名はWeb2.0とかアルファブロガーという言葉と共に知られていて、『Softwere Design』誌に連載されていた「コードなエッセイ」は確かにおもしろかった。正直にいうと、他の記事は読まなくても、この連載だけ読んでいた号があったくらいである。また、PerlのUnicode対応における功績も大きいと思う。(個人的にはもっとスマートだと嬉しかったけれども。)

そんなわけで、著書をまとめ買いして何冊か読んでみたので順々に紹介しようと思うが、とはいえ本書が想定する読者は非プログラマであってIT業界人ではない。本書が扱うPerl(プログラミング言語のひとつ)を作ったLarry Wallがいうプログラマの三大美徳はPerl使いならまず知っていることだし、その種の自動化の動機を日常生活にも広げて応用する程度のことなら私でもやっていることだからである。Googleの20%ルールを超えて、むしろ自身の仕事を20%に収め、残りを改善のために回すという発想は「確かに今ならそれくらいを目指すべきか」と感じるし慧眼ではあるが、非IT系の仕事で現状から8割の効率化ができるのであれば、いくら何でも普通の人ならとっくに実践しているだろう。

言い換えると、本書はプログラマ的な省力化手法を知らない非IT業界人が、今どきのプログラマが効率化というものをどういう動機と方向性で捉えているのか知る??という意味において意義がある本だと思う。それを知らない人にとっては十分に刺激的な内容だろう。私自身はコンピュータというのを究極の抽象化のための道具だと思っているので(機会があればきちんと文章にしたいのですが仮想化ではありません !)、コンピュータは人間にとっての道具ではあるが、コンピュータ的思考を逆に仕事の方法論として取り入れた方がいいと思える場面もたくさんある。「プログラマの三大美徳」はその中のひとつだといえるので、著者にはこの種のものをもっと世の中に紹介してほしいと思う。

抄録

2-3

仕組み化されたものごとの効率は、飛躍的に向上します。

良いほうにも、悪いほうにも。

「仕組み本」のほとんどが仕組みの負の側面を取り上げない一方で、取り上げられている正の側面もたかが知れています。-/-

14 cf.16

仕組みの進化は、私たちの働き方にも影響を及ぼします。

最も大きなものは、業界自体が消滅する危険が増したということです。

19

急激な変化に耐えるためにも、今存在する仕組みでモノを作り始めたら、そのときにはもう次の仕組みの設計に入っているか、新しい仕組みを模索していないといけないのです。

22 cf.25/86

グーグルは、「20%ルール」を従業員に課していると言われます。これは、勤務時間のうち20%を自分の好きなプロジェクトに費やせ、というものです。

このグーグルの20%ルールは先進的な取り組みのように思われていますが、これではまったく不十分だと私は考えています。

??本当の??20%ルールとは、既存の仕組みを回す仕事を勤務時間の20%で終わらせ、80%を新しい仕組み作りに当てるというものです。

28

快適過ぎる環境は人をスポイルしますが、かと言って競争が激し過ぎると、人はじっくり物事を考えることができなくなってしまいます。この辺りのバランスをどう取るべきかは、あらゆる会社、人にとっての課題と言えます。

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