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風俗江戸物語

書誌

author岡本綺堂
publisher河出文庫
year1986
price420
isbn4-309-47095-5

目次

1感想
2抄録

履歴

editor唯野
?.11.30読了
2014.10.28公開

『半七捕物帳』で有名な岡本綺堂が江戸の様子のあれこれについてをエッセイ風に書いた本。しかし、後書きを読むと、本書は著者に無断で出版された上に誤植が多かったため、著者から出版の差し止めをくらい、結果的に稀書となっていたらしい。とはいえ、著者自身が生粋の江戸っ子であっただけに、その文章は読み応えがあって、おもしろかった。ちなみに、同じ後書きでは「乞食」の一節だけは、これを非人などと同列に扱い差別を前提とした内容のために割愛したと書かれているが、その趣旨を説明した上で文庫版にも含めた方がよかったのではないかと思った。

抄録

10-11

江戸城では元旦に徳川一門と譜代大名、二日に外様大名、三日に諸大名の嫡子と江戸町人(幕府初期からの家持町人)が登城した。旗本は元旦から三日までに分かれて登城した。徳川直参とはいえ御家人は御目見得以下であり、旗本は士、御家人は卒とされていた。

12-13

町家では元旦は休んで二日から年始になるのが普通だった。魚河岸も年中で元旦だけ休み、書初、吉原の女郎、火消の出初も二日からだった。その後、6日に門松を取り、7日は若菜の節句で七草粥を食べ、11日は具足開(町家では蔵開)といって鏡餅を破(わ)った。そして、14日にお餅を取って14日年越と呼んで、正月がいったん片付いたものとした。また、15日を小正月として小豆粥を食べた。

15

正月はお城坊主にとっても儲け月であった。お城坊主が自分の受け持つ大名のところへいくと、大名の方では馳走した上に10両くらいを包んだ。一方、坊主の方では春画の本を持って行った。大名がお城坊主を優遇したのは、いかに大名でも殿中ではひとりぼっちとなってしまい、お城坊主を通さなければ何もできなかったためだった。

19 cf.18

また各町内でも、花見の催しだけはどんなことをしても行なっていました。これが町内交際(つきあい)の主なるものの一つとなっていたので、花見の催しに加わらなかったりすると、町内の者に爪弾きをされてしまったくらいです。この町内催しの花見のときには、きっと他町内の者と喧嘩をして、随分怪我人などもできましたが、みな示談にして済ましていたということです。

19-20

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