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ものと人間の文化史153

書誌

author有岡利幸
publisher法政大学出版会
year2011
price3000+tax
isbn978-4-588-21531-5

目次

1感想
2抄録

履歴

editor唯野
2011.05.07読了
2011.06.07公開
2012.1.30修正
2012.1.31修正

「実にヒノキこそは、木の文化とよばれる日本文化を背負ってきた樹木であり、これまでの日本人の生活に完全に密着してきたように、今後も同様の道を歩む樹木だと考えられる。」(p.vi)と冒頭にあるように、檜という木が古来から現在までの時間の中で文化的にどう使われてきたのかをまとめた本。

特に平成25年に式年遷宮を迎える伊勢神宮の御神木、天然檜の産地として有名な信州木曽については詳しく記述されている。あくまで文化史を扱った書籍なので、造林業、建築・木工における材の乾燥・加工の実際といった記述には詳しくないが、桧皮葺き、年輪年代法などは素直におもしろかった。

若干、内容的な重複や誤記もあるが、檜皮葺きに関しても触れらているような需要と供給のアンバランスは、林業・建築・木工業全般の現状に対してもいえることだと思う。そういう視点で考えてみると、文化史的に廃れていくもの・そうでないものはあるにしても、ただただ先人の知恵が失われていくような風潮はどうにかならないものかと思う。

抄録

2

ヒノキはスギと同様、古来から日本人に愛されてきたわが国固有の植物である。-/-

3-4

ヒノキ属となる木は世界に 6 つある。

  • ヒノキ、サワラ [日本]
  • タイワンヒノキ(台檜) [台湾]、近年は伐採禁止木
  • ローソンヒノキ(米檜)、アメリカヒノキ(アラスカヒノキ)、ヌマヒノキ [アメリカ]

5/6/9

檜の語源としては一般に「火の木」といわれているが、ヒとは最上を表わす「日」から出て元々「ヒ」一文字で発音していたものが、区別のために「ヒノキ(檜の木)」となったのではないかとの説が示されている。後者の説としては新井白石らがそれを述べており、枕草子では「檜の木」の記載がある。古来の発音を元にしているため、単なる当て字っぽい「火の木」よりも説得力があるように私も思った。(p8 にヒノキの方言について。)

10/12

若い頂芽の成長は、スギの場合は常に真上に向かって伸びるが、ヒノキの頂芽は下に垂れ徐々に直立していくという特異な成長のしかたをする。この成長のしかたは鱗状葉をもつすべてのヒノキ科の樹種に特有で、サワラ、ネズコ、ヒバも同様である。

また、一般にヒノキの枝は横に張るという性質があり、前述の葉っぱの性質とともに、直射光を遮断する率が高い。そのため閉鎖したヒノキ林の林内は暗く、生育に陽光を必要とする他の植生が侵入することができない。-/-

16-17

-/ーヒノキの天然分布がみられない道県は、北の方では北海道と青森・秋田・山形・岩手・宮城の各県であり、南では佐賀・長崎・沖縄の各県である。

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