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新・放浪記 2
南へ

書誌

author野田知佑
publisher文春文庫
year2000
price600+tax
isbn16-726911-2

目次

1感想
2抄録

履歴

editor唯野
2001.3.24読了
2001.3.27公開
2002.4.9修正

「新・放浪記」の 2 冊目。前作がかなり自伝的な要素を持っていたので、個人的にはその続編、例えば著者と長良川河口堰との関わりの通史??のようなものを期待していたのであるが、かなりあっさりと普段の作品に近いエッセイ集になっている。なぜかは分からないが「シリーズを銘打っている割には」と思う一方で、「野田知佑ならそれもアリか」と何となく納得してしまう部分もないわけではない。ただ、世の中への警句と自然讃歌とのバランスはとても絶妙というか、この人でしか出せない雰囲気がある。さっと読めて、それでいて耳に痛い部分のあるのは、実は貴重なことなのではないかと、この読書ノートをまとめながら思った。

抄録

13-14

夜、テントの中に机と椅子を置き、コールマンのランタンを灯すと、東京を出て以来、最良の書斎になった。旅の生活で一番欲しいのは個室、机、椅子、電気スタンドだ。そこで一日に一時間でもいい、静かに本が読めればどんなに放浪が長くても気持が荒れることはない。日本で客人に個室のプライベートや机、椅子を与えることのできる家は少ない。

27

ゴーグルをつけて潜ると、遠くの岩かげにいる魚が見えるのが嬉しい。水が澄んでいるのだ。現在、日本の川に潜ると、カマツカのような底魚で一〇センチ以上のものには奇形が多い。尻尾が無かったり、背骨が曲がったりしている。原因は農薬だ。

53

-/-いや、きっと、おちょぼ口をして「自然を大切に」などとすましていっているに違いない。昨今は自然を壊している奴らほど「自然保護」を声高にいっているから。

91

農村にも「サラリーマン化」の波が来ている。ゴルフ場や進出してきた企業の雑用、ガードマン、土木関係の仕事をすると女性や非力な年輩の人も結構な金を稼げる。一方、そういった「下働き」的仕事をすることで、「独立自尊」「唯我独尊」の精神はなくなり、「肥後もっこす」的人間が消滅した、というのである。

108

「お寺の坊主と先生はもらうばっかりでお礼のいい方を知りませんな」

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