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時代の風音

書誌

author堀田善衛/司馬遼太郎/宮崎駿
publisher朝日文庫
year1997
price500+tax
isbn4-02-264139-8

目次

1感想
2抄録

履歴

editor唯野
?読了
2012.3.7公開

なかなか魅力的な 3 人による鼎談集。とはいえ全般的にいって堀田善衛、司馬遼太郎の発言が多く、宮崎駿は聞き役っぽい感じになっている。堀田善衛はさすがというかヨーロッパ絡みだと強いなと思うし、司馬遼太郎も私はあまり読まないせいもあるのだが、自身の歴史観がうかがえて楽しめた。よい対談は参加者だけでなく読み手にとっても十分におもしろい。既に 15 年も前の本になるわけであるが、今ならどういう 3 人の対談がおもしろいのだろうか ?

抄録

16

堀田 ロシア革命のとき、農民が二人、レーニンに会いにいった。戻ってきて言うには「今日はレーニンというツァー(ロシア皇帝の称号)に会った」(笑)という話がありますよ。

18

その儒教の箍(たが)がはずれると、毛沢東さんがマルクス・レーニンというドグマを津々浦々まで行き届かさなければならなかった。

これはロシアも同じで、けっきょくマルクス主義をもたざるをえなかった。大領土国家の一つの型の常です。-/-

27

宮崎 アラブは、イスラエルが持ちこんだ西欧型の農業にまさるそれを創り出さないと、勝てないと思うんです。石油では勝てない。石油で稼いだ金は、結局、武器の代償として欧米に吸いあげられてしまいました。

28 cf.34

司馬 二十世紀の大きな特徴は二つあると思います。一つは、大国ロシアをはじめ多くの国が政治優先でしたが、そうした政治がすべてという迷信を二十世紀の人間はもったということと、それともう一つ、殺すということでは兵器を、しかも大量に殺戮できる兵器を、機関銃から始まって最後に核にまで至るものを二十世紀になって作ったということです。兵器は全部、人を殺すための道具ですから、これが進歩の証でしたね。

堀田 ある個人を標的とした毒殺ということでは、ルネッサンス時代の人間はひじょうに詳しかった。それがイタリアの Pistoia(ピストイア)でピストルが十六世紀半ばに発明されたとたんに、毒殺知識がどーっとなくなった。

司馬 イタリアは毒殺までが芸術だったですな(笑)。

30-31

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