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木の家具作り
木曾のアトリエから

書誌

author奥村昭雄
publisherINAX 出版
year1994
price900
isbn87275-052-7

目次

1感想
2抄録

履歴

editor唯野
2004.10.18読了
2004.10.18公開
2004.10.26修正

信州木曽の三岳村で家具工房を主宰している方の本。本業は建築科の大学教授であるが、自身が三岳村にやってきたいきさつを端緒として、家具作りにまつわる話がエッセイ風に語られている。

個人的に興味深かったのは木の生長シミュレーションの経験が丸太の判断力を養うことにつながった辺りなどで、木工でのコンピュータの応用のさせ方についてだった。また、新しい家具を作るときには 1/5 の実物を作り、接着剤なしでいろいろな仕口を試している点など、これは IT の世界でのプロトタイプ作成と同じことであるわけだから、工程的には文字通りのウォーターフォール型といった感じで妙に似た部分もあるものだなと思った。

抄録

5/7/8

木曽の民家は壁土になる土がないため土蔵は珍しく、木造(板倉)のため防火に備えて母屋からは離れて建っている。柱に溝をついて壁になる板を落とし込んであるため、柱・梁から組むのではなく、2 面の柱と壁を傾けつつ、残りの 2 面を下から組み立てるのに合わせて傾斜を起していく。最後は柱と土台の間の楔を抜いて柱を土台のほぞに入れる。解体はこの逆。

12/13

無垢材の家具では裏側の設計と仕事の良し悪しが強度や寿命に大きく影響する。そこで木が動けるよう付けるために蟻組(欧米での dovetail : 鳩の尻尾)を用いる。蟻には板はぎに用いる契り(板厚の半分まで表裏は逆にして入れる)や反りを防ぐための吸付桟(蟻桟、勾配は約 70 度)もある。

14/16/17

木材のうち芯の部分は狂いが大きいため使わない。芯の外の年輪の大きな部分は粘りがあるため曲木加工に向く。(椅子の細い脚やほぞ先など。)但し、狂いやすくもあるので目切れのないように製材する。逆に樹齢が 150 年以上の木目は素直で狂いが少ないものの、ほぞ先に使うともろい。これらの傾向は男木(日照を受ける側)で強く、女木(日陰側)で弱い。

一方、傾斜面などに育った木で無理な力のかかった部分を「あて」といい、内部的に強い応力を持っているため狂いやすい。これは針葉樹では幹の圧縮側、広葉樹では引っ張り側にできる。あての部分は節がなく厚くなり杢もよいが建築では嫌われる。硬いがもろくもあるためほぞ先には用いず、柾目にしてほぞ穴として用いる。

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矛盾しているようだが、自由度は椅子が体の要所要所をしっかりと支えてくれているときに生まれるものである。支えてくれているから安心して動くことができる。-/-

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