ホーム > 読んだ >

向田邦子全対談

書誌

author向田邦子
publisher文春文庫
year1985
price420
isbn16-727707-7

目次

1感想
2抄録

履歴

editor唯野
2000.7.30読了
2000.8.16公開
2002.4.9修正

向田邦子さんの本というのは私も大好きで戯曲風(テレビ脚本)以外のものには一通り目を通しているつもりだが、これはそれとは少し毛色の違う彼女の対談をまとめた一冊である。全編が屈託のない会話で構成されているな...というのが一番の印象だった。硬さが見られないというか、そういう意味では対談のうまい、もっといえば著者の人柄の良さが素直に表れている内容といえるように思った。恐らく活字にならない肉声の方が魅力的になるのではないかと思った一冊。

なお、本書に登場する対談者は以下の通り。山口瞳、小野寺勇、水上勉、江國滋、小田島雄志、谷川俊太郎、山藤章二、吉行淳之介、二子山勝治、竹脇無我、中川一政、澤地久枝、倉本聰、鴨下信一、阿川弘之、和田誠、矢口純、矢崎泰久。

抄録

18/282

よく飯くいドラマと言われますけれども、家族が顔合わせるし、食卓の情景というのは、どんなおかずを食べるか、どんなことをしゃべりながら食べるかというのは、家族のエッセンスみたいなところがあるんですね。(向田)

私は、食卓の情景というのはその家族の縮図だと思うんです。家族とか人間関係とかその日の出来事とか、そういうものを食卓のシーンが何よりも雄弁に物語っていると思うんです。だから私は、食卓のシーンがとても好きだし、同時にむずかしい。あれが上手に書ければ、ライターとして本望だと思っています。(向田)

cf. 205、280-281、284

23

向こうの人に言わせれば、そのほう(アーケードのある方:唯野注)が便利だと言うけれども、あの中に入っちゃったら、どこへ行っても同じだからわからなくなっちゃうね。北海道だろうが、四国だろうが、みんな、もうね。(小野寺)

48

そうなんです。つまり、フィルターごしにしか見えない。その点私は幸か不幸か……ま、不幸なんですけど、運がなくて夫がおりませんので、そういうフィルターはゼロですね。そこのところを、ささやかな武器にしなくてはいけないと思ってます。(向田)

52

マス(原稿用紙の)に入ります ?(江國)

マスなんか、はじめっから入れませんから。(向田)

私もそういうところがある。よく学生時代などにノートの罫線の間にきっちりと文字を書く人がいたものだが、それ自体が一種の無意識のうちでの制約を受けているというか、開放されてしまった方が楽ちんだと思う。

59

全文を読まれる場合はログインしてください


Up