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山藤章二の似顔絵塾

書誌

author山藤章二(編)
publisher朝日文庫
year1985
price600
isbn2-260323-2

目次

1感想

履歴

editor唯野
2000.6.25読了
2000.6.25公開
2002.11.28修正

週刊朝日の有名な同名コラムをまとめたもの。扱われているのは 1984 年のもので、大変おもしろい。山藤章二の作品は他にも文庫化されいるものがあり(『山藤章二のブラックアングル』など。但し、ほとんどは古いので古本屋でしか手に入らないだろう)、またエッセイの挿絵としてもたびたび登場しているから、今更、余計な説明はしない。いずれにせよ、この似顔絵がおもしろいのは、絵に毒があって風刺絵としての性格が強いからだ。それゆえ、当然ながら人物の特徴は大いにデフォルメされ、「悪しき様」が誇張して描かれることになる。しかし、そういう欠点があるからこそ、人物像が明確となり存在感を浮き彫りにさせるという辺りでは、「それこそが人間だ」というような編者の無言の主張も聞こえてきそうである。

おまけに絵柄の多彩なこと、下手な写真などよりも躍動感があり人物を描き切っている作品の多いのには脱帽するしかない。私のような絵心のない人間がみるとなおさらである。また、描かれている人から時代を読み取ることもできたりして、そういう楽しみ方もある。その意味では、見ているだけで誰もが楽しめる種類の本だと思う。

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