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臆病者のための億万長者入門

書誌

author橘玲
publisher文春新書
year2014
price750+tax
isbn978-4-16-660970-3

目次

1感想
2抄録
327-28

履歴

editor唯野
2018.11.4読了
2018.11.4公開

書名の通り『臆病者のための株入門』よりは内容を広く捉えた本で、個人が今の時代に資産形成すべき上での原則のようなものを、著者の考えに基づいて示している。日本の国債暴落がもたらす結果などを箇条書きで「これしかない」と断定する辺りは痛快だが、まあ論理的に当然といえば当然のことをいっている側面もある。例えば、上述した国債暴落に対して個人が取り得る最も効率的な防衛手段が外貨預金だというのは、国債暴落が円安とインフレを引き起こす以上、当然の帰結でもある。

ただ、金融機関の儲かるという話を鵜呑みにするなであるとか、情弱はカモにされるだけ、というような指摘も同感であり、「資産運用」が一般化しつつあることは、個人もそれなりの勉強をしなければならないことと同義なのは間違いない。日本の借金が増え続け少子高齢化社会の進展が避けられない以上、本書が指摘するような、定年に縛られない長期間の雇用を実現しつつ、デフレには普通預金で対抗し、子どものいる家庭は不動産投資を極大化するマイホーム購入は控え、資産は円に限定されない外貨を含めた分散を行なうべき――というような個々の提言には一聴するだけの価値があると思う。

抄録

4-5

この単純な事実(ファンドマネージャより圧倒的な運用成績を残す個人投資家がいること:唯野注)は、株式投資が将棋よりも宝くじにずっと近いことを教えてくれる。それは必勝法のない確率のゲーム、すなわちギャンブルなのだ。

5

どんな業界にも「それをいったらおしまいだよ」ということがある。ある程度の年齢になれば誰でも学ぶことだろうが、「不都合な真実」を言い立てるひとはいつのまにか排除されて消えていく。これは陰謀とかそういう話ではなく、たんにやっかいだったり、つき合いたくなかったりするからだ。

本書でこれから述べるのは、金融業界では誰もが当たり前だと思っていながら、暗黙のうちに「それはいわないことにしておこう」と決めていることだ。「株式投資はギャンブルだ」というのもそのひとつで、私は一介の文筆家で業界とはなんのかかわりもないから好き勝手なことが書けるのだ。

6

リタイアしたあとに資産のすべてを失ってしまったら、もはや生きていく術はない。金融市場のなかで、個人はもっともリスク耐性の低い投資家だ。そう考えれば、個人の資産運用は保守的であるべきだ。

資産運用は金儲けの手段ではなく、人生における経済的なリスクを管理するためにある。そんな「臆病者の投資家」にとって、資産運用でもっとも大切なのは目先の利益ではなく、将来の予期せぬ経済的な変動から自分や家族の生活を守ることにあるはずだ。

17

スタンリーはこの本(『となりの億万長者』:唯野注)のなかで、「期待資産額」という指標を紹介している。これは、自分が金持ちかどうかを知るための魔法の方程式だ。とてもシンプルで、だれでも一瞬で計算できる。

期待資産額 = 年齢 x 年収 / 10

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