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「世界征服」は可能か ?

書誌

author岡田斗司夫
publisherちくまプリマー新書
year2007
price760+tax
isbn978-4-480-68762-3

目次

1感想
2抄録

履歴

editor唯野
2019.10.20読了
2019.11.07公開

サブカル本。漫画や特撮、アニメに登場する「悪の帝国」についてを掘り下げている。具体的な世界征服の手順から征服後にどうするかまで幅広く扱っているが、この本でおもしろいといえるのは、その世界征服後についてを語った部分になると思う。

即ち、世界征服を成し遂げ贅沢をしたくても、現在の市場経済と情報社会においては、お金の多寡だけの話になってしまい、大衆のための娯楽がいくらでも生まれてくるので、贅沢の独占そのものができない。また、そもそもの悪の定義に関しても、「何が悪なのか」は時代と場所によって変わるため、その時代の常識を否定することこそが悪であり、それを今の日本に当てはめるのであれば、上述した自由経済・情報社会の否定にならなくてはならない。とまあ、そんなことを説いている。

そのため、逆にいうと前半の3/4は「悪の帝国」の例をサブカルの作品に合致させているだけなので、それほど刺激的というわけではない。書名と最後の結論にあまり因果関係が感じられない辺りもサブカル本というところか。

抄録

9

「ところで、この(ふしぎの海のナディアに登場する:唯野注)ガーゴイルって秘密結社は、なんで世界征服なんかしたいんでしょうね ?」

庵野秀明監督は、ため息をつきました。

「そんな面倒なことせずに、高度な科学力で自分らだけ楽しい暮らしをすればいいのに……」

23 cf.80

マンガや特撮の世界にも、そういう「征服した後のビジョン」が感じられない作品が多く見受けられます。

28-41

著者なりに分類した世界征服の目的。

  • 人類の絶滅(宇宙戦艦ヤマトのガミラス etc)
  • お金が欲しい(ヤッターマンのドクロベエ etc)
  • 支配されそうだから逆に支配する(機動戦士ガンダムのジオン公国 etc)
  • 悪を広める(ドラゴンボールのピッコロ大魔王 etc)
  • その他 目的が意味不明(北斗の拳のサウザー etc)

42

恋愛で、二人が告白したり、あるいは結婚にゴールインするまでの過程でせいいっぱいで、結婚してからの生活など考える余裕がないのと同じです。

46

同等の種族や能力であってはじめて「支配する喜び」が沸いてくるのです。

よくアニメなんかで敵のボスが「劣等民族を征服するのだぁ !」とか言いますが、あれだって実は違うわけですね。本当に劣等民族であれば、支配しても世話をするだけになってしまいますから。

ではなぜ、悪の帝王は「劣等民族を支配」とか叫ぶのかというと、これはあとで述べますが「悪い奴というキャラクター付けをするため」であって、まぁ言うならば建て前ですね。征服するときに、一応かけ声として言っているだけ。

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