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日本の国家破産に備える
資産防衛マニュアル

書誌

author橘玲
publisherダイヤモンド社
year2013
price1500+tax
isbn978-4-478-02437-9

目次

1感想
2抄録

履歴

editor唯野
2018.11.24読了
2018.11.24公開
2018.12.3修正

書名の通りであるが、それほど複雑なことは扱っていない。本書の要約が既に読書ノートとしても取り上げた『臆病者のための億万長者入門』にも出てくるので、基本的にはそちらを読めばよいと思われる。

ただ、私自身も直近ではないと思うが、日本の財政が国債頼みの借金を今後も続けるならば(歳入の約1/3を国債で賄いつつ、歳出でも国債費だけで約1/4に達している以上、それがいつになるかはともかく)、いずれ破綻するのは避けられないと思う。なぜなら、これを防ぐには大幅な増税と社会保障のカット、人口減少を補うための移民による国力の増強しかないと思うが、そのいずれも行わないのに国債発行額だけが増え続けているからである。

とはいえ、本書の著者が国家破産をいたずらに煽るのを良しとしないのは正しいと思うが、一方でこのような状況を招いている現状への批判が全くないのも片手落ちだと思う。少し前までは国の借金が増えることに対してもっと批判があったと思うのだが、最近では相対的にそれらの声を聞くことが少なくなっているのは意味不明だ。一庶民には、あまりに金額が大きくなりすぎて感覚がマヒしているのか、真実を知らせるのが怖くて忖度が働いているのかは知るべくもないが、「資産防衛」を謳うのであれば、金融商品と並んで、これ以上の財政破綻の危険性自体をヘッジする政治的な行動にも一言でよいので言及すべきではないかという気がする。まあ、その種の発言を意図的に避けるのも著者なりの市場原理に従った合理的判断の結果なのかもしれないが。

抄録

4

しかし経済的なリスクには、政治的・社会的リスクとは異なる大きな特徴があります。

あらゆる経済的リスクは、金融市場でヘッジする(保険をかける)ことが可能です。

39-40

まれにしか発生しないが、いったん起こるととてつもない変化をもたらすような出来事を〝ブラックスワン〟といいます。17世紀末にオーストラリアでコクチョウ(ブラックスワン)が発見されるまで、スワン(ハクチョウ)おてゃ白い鳥のことだと誰もが信じて疑いませんでした。しかしその常識は、たった一羽のコクチョウによってすべて覆されてしまいます。管理不能なリスクすなわち不確実性は、ときに世界の姿を大きく変えてしまうのです。

管理可能な確率的なリスクには保険をかけることができます。病気や事故、火災件数などは統計的に予測可能だからです。

それに対して不確実な事象(ブラックスワン)は統計的に把握することができず、原理的に保険が成立しません。

42

それに対して管理不能な不確実性のリスクは、そそもそも保険がきかないのだから、別の対策が必要になります。といっても、こうしたリスクには常に最適な対処法があるわけではありません。

歴史が繰り返し証明してるように、人類にとっての最大のリスクは国家権力です。

43

実現可能性は別として、こうした計画が可能になるのは、戦争や内乱とはちがって、原発事故の〝最悪〟を想定できるからです。このようなとき、私たちは無意識のうちに最悪の状況(ミニ)を考え、そのなかで最善の行動(マックス)をとろうとします。

これが、「マクシミン戦略」です。

45

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