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諸怪志異(三)
鬼市(きし)

書誌

author諸星大二郎
publisher双葉社
year1999
price800
isbn575-93632-4

目次

1感想

履歴

editor唯野
1999.winter読了
2000.7.30公開
2004.10.22修正
2010.2.25誤字修正

書名からも推察できるように、要は『柳斎志異』に倣った中国奇談のシリーズ作。実は私はとっくにこの本は第二作で終わっているとばかり思っていたので、突然、本屋に三冊目が並んでいるのを見て驚いたものである。著者の中国ものとしては『西遊妖猿伝』もよいが、この作品も実に雰囲気が『柳斎志異』に近くて好きな作品だけに、続編が出たのは素直に嬉しい。

しかし、前二作がほとんど完全に一話完結であったことを考えると、本作ではストーリー性が出てきている。当代随一の術者といわれる五行先生に育てられた燕見鬼(阿鬼)が成長して登場する辺りからも、それが伺われる。また、時代設定が徽宗皇帝で武松という人物が出てくるとなれば、これはもう『水滸伝』を想像するよりほかはなく、恐らく今後はそういう展開を見せるのではないかと私は思う。ちょうど『西遊妖猿伝』が『西遊記』の異本であるように(まあ、これも時間のかかっている著者らしい物語ですが)、この本もそうなっていくのだとすれば、今後の展開(著者のアレンジ)に期待したいところだ。

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