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筒井康隆対談集
トーク 8 <エイト>

書誌

author筒井康隆
publisher徳間文庫
year1984
price360
isbn19-577713-5

目次

1感想
2抄録

履歴

editor唯野
1999.10読了
1999.11.25公開
1999.11.26修正

筒井康隆の対談集。実をいうと私は対談集が非常に好きである。というのも、対談という肉声を通じての文章の方が、(作家の普段の文章などよりも)「人間」の見えてくるところのあるように思うからである。また、えてして、その人の主張したいことが非常に要領よくまとめられていることも多いように感じるからだ。まあ、そうでなくても才人と才人とが対話すれば、それだけでも十分におもしろいのだろうが...

いずれにせよ、本書はその対談の主が筒井康隆なのだから、「おもしろくないように」という方が無理な注文というものだろう。おまけに対談者は吉行淳之介や中島梓といった作家だけでは収まらず、山下洋輔トリオや相倉久人といったジャズ関係者までと幅広い。ジャズのアドリブそのままに対談のメンバーが入れ替わる(乱入する)など、そういう方面を意識した作りにもなっており読者を飽きさせない。それでは、そういう才能のほとしばりから、そのごく一部を開陳してみようと思う。

抄録

7

僕は、声かな、楽器かなと思っているうちはいいんだけど、声だとはっきりわかってしまうと面白くなくなるんだ。(筒井)

8

スイングさせる必要条件みたいなものですね、一つの音、一つのリズムを延々と続けるというのは。(森山)

19

今の僕があなた方の演奏を聴いて脱皮しようと思っているのは、つまり、最初から最後まで設計図を書いて、最後はこうなると頭で考えて小説を書くのではなく、最後の感動をそのまま最初にもってきて、そこからどうすれば一番面白くなるかを考えて先を続けていくということです。(筒井)

31

つまり、ジャズは革命だとか革命じゃないとかいう人がいるけど、例えば寺山修司はジャズは革命にならないとか言うし、一方で松田政男がジャズは革命になりうると言って意見の対立があるけど、ジャズはむしろそれを超越しているんじゃないかと思う。それはどういうことかと言えば、常に自己否定ですよ。つまりヒューマニズムでもアンチ・ヒューマニズムでもないという-/-だからそれを超越して否定に次ぐ否定、これだと思う。(筒井)

43

ああいったストイックな、自分の世界を創り上げてる人(渡辺貞夫を指す:唯野注)は、むしろ自分の世界を破りたいと思っているわけで、だからかえって反撥するわけでしょう。これで自分は固まってしまうんじゃないかとしょっちゅう思っているわけでしょう?(筒井)

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