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大工棟梁の知恵袋
住みよい家づくり秘訣集

書誌

author森谷春夫
publisher講談社+α文庫
year1994
price854+tax
isbn4-06-256054-2

目次

1感想
2抄録

履歴

editor唯野
2015.4.26読了
2015.5.3公開
2015.5.12修正

大工の立場から在来工法で家を増改築する際のポイントを広く解説した本だが、内容的に平易なので素人にも十分読み進められる良書だと思う。施主の立場だとどうしても家づくりとなると、設備の使い勝手や間取り中心となりがちであるが、それ以前の構造的なところも含めて長持ちする家作りの知恵が紹介されており、その知識は決して無駄になるものではない。

特に湿気を避けるための雨仕舞にこだわる辺りなどは、いかにも施工業者というべき点で、ぱっと見では分かりにくい基礎工事から仕上工事、更にはメンテナンスにまで項を割いている点はよいと思う。一方、著者が東京の人なので、地域的には関東を想定したものになっていること、既に20年前の本となるので若干古さを感じる記述のある点は割り引くべきだと思った。例えば、屋根勾配の基本は4寸だとしても、近年のガルバリウム鋼板であればもう少し緩くてもいいといった辺りは、別書を当たるべきかと思う。それでも在来工法で家を建てる場合でのポイントを幅広く知る上では、お勧めできる本である。

抄録

18

現代は暮らし方も施工法も多様化したが、あまりたくさんの、あふれすぎるほどの情報に振り回されすぎてはいないだろうか。

今こそ、在来工法といわれる従来の軸組み工法である日本住宅のよさを認識し、かつ、振り出しに戻って、大げさにいうと、日本人の暮らしもとを支えてきたと自負する、私ども、町大工の家づくりの知恵を生かした家づくりを見直すときでもないだろうか。

20

日本の気候風土に合った住宅をつくるには、木を使わなければできない。

23

柱を外に見せた真壁づくりなら、大壁と違って、仮にひび割れができても、その部分だけを補修すればすませられるが、大壁ではそうはいかない。全部いじらなくてはだめだ。-/-

28

これから家を設計しようとする人に、私らがまず第一にうるさくいうのは、南開口ということだ。

30

-/-どうなるかわからない先のことより、あて外れのない近い将来、せいぜい十年ぐらいを一区切りに設計をすると、案外うまくいくもの。十年を節目にして、そのときは改築してもいい、と思うくらいの融通性がほしい。

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