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中国政治論集
王安石から毛沢東まで

書誌

author宮崎市定
publisher中公文庫
year1989
price760
isbn4-12-201675-4

目次

1感想
2抄録

履歴

editor唯野
?.6.25読了
2012.5.15公開
2012.5.17修正

宋代以降の代表的な中国政治家の文章を抜粋してまとめた本。具体的には王安石・司馬光から林彪までと幅広い選択がされている。確かに私も中国古代の古典に接することは多くても、近世以降についてどうかといわれれば、魯迅くらいしかまともに読んでいない。著者はそこで中国政治史を官僚統治の問題として捉え、その文脈での文章の紹介を行っている。訳文とともに著者による解説が付されているので、特に読みにくいということもない。類書に乏しい感じがするのでお勧めである。

抄録

7-8 cf.10

-/-今度の出版の最も大事な狙いの一つは、近世の中国文を日本の読者に紹介するにある。由来、日本人のいわゆる漢文の読書は大たい唐宋八家文のあたりまでで止っていて、それ以降のものになると反って疎遠になる傾向があるから、それを是正したいというのが、監訳者の吉川博士の主張であり、私もそれには大いに賛成である。-/-

11

われわれの史観によれば、中国の歴史は三国頃から始まった長い中世的な混乱時代を脱却して、宋代から新しい時代に入ったと考える。われわれがそう考えるばかりでなく、宋代の知識人が現にそう考えたのであった。-/-

12

彼等(司馬光・王安石ら:唯野注)の政治論は従って、結局は官僚制の問題に帰着する。官僚の素質、政府の機構をいかに改善してその沈滞と腐敗を防ぐべきか、がその中心である。しかもこれは一千年前の宋代の問題に止まらず、現在の問題でもある。-/-

15

しかし天子がこのような荒治療を行って、しかも官僚陣を微動だにさせず、完全に威服することは余程力量のある天子でなければ出来ぬ仕業である。そこで天子の絶対権力を保持しつつ、内外の官僚全般に睨みをきかすための制度として、宦官による監視制度が成立した。

元来、宦官なるものは天子の家庭に用いられる奴僕であって官僚ではない。それだけに官僚を監視するには反って好都合な点もある。同時にその弊害も甚だしいものがあることは後漢、唐の歴史によって既に証明ずみである。それを知りつつもなお明の天子が彼等を利用せざるを得なかったのは、そこによくよくの事情がなければならなかったのであろう。

16

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