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うらおもて人生録

書誌

author色川武大
publisher新潮文庫
year1987
price440
isbn4-10-127002-3

目次

1感想
2抄録

履歴

editor唯野
?.7.23読了
2014公開

周知の通り、色川武大は阿佐田哲也の別のペンネームである。また、阿佐田哲也という筆名も麻雀をやって「朝だ、徹夜だ」が由来であることは、よく知られている。本書は、その著者が自身のギャンブルの世界で得た人生論をエッセイ風に綴ったものとなっている。読み口はかなり会話調であり、口述筆記させたのではないかと思わせるような文章であるが、その分なじみやすいというか読みやすくはなっている。

内容も訓示的なものではなく、少し世の中を斜に構えてとらえているところがあり、一般的な「人生論」とは違う切り口になっている。まあ、この辺のニュアンスは抄録をご覧いただいた方が手っ取り早いだろう。

抄録

8

ただし、そのかわり、この世の原理原則、不確実でないと思える部分については、一生懸命に記さなければならないと思いました。原理原則をさとったから、それで解決するわけではありません。むしろ原理原則は愛嬌のないもので、人間の望みに一から十まで沿っているとは限りませんから。

にもかかわらず、原理原則は、例外なしに誰にも共通した部分であり、ここをとにかく認識して、そのうえで、原理原則に立ち向かう人間の自主的なものを造成していく、そういう手順かと思います。ですから技術論というよりは認識論ということになりましょうか。

18 cf.26-27/29

人を好きになることと、人から好かれるということは、表裏一体のものなんだな。そうして、人格形成期を迎える前までの子供の頃で一番大切なのは、愛し、愛される、という経験を積むことだな。俺なんか、今になってみるとつくづくそう思う。次に大切なのが、健康。学問なんかその次くらいだな。

31

この場合の人を好くというのは、俗にいう人間好きとも少しちがうような気がするな。人間をよい生き物と思い、信じる、というのとはちがうんだ。あるがままの大勢の人々にどのくらい関心が持てるか、ということなんだろうな。

32

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