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SFロマン傑作選
ヤマビコ13号

書誌

author松本零士
publisher奇想天外コミックス
year1979
price480
isbn1025-Z

目次

1感想

履歴

editor唯野
1996.autumn読了
2000.6.19公開
2002.11.28修正
2013.5.26修正

p.?いわゆる松本零士の大四畳半物語系に属する作品を集めた短編集。しかし本書の一番の価値はそういうところにあるのではなく、冒頭を飾る「銀河鉄道の夜」がかの『銀河鉄道 999』の原典と呼ばれるところにある。

これを読むと確かにこの作品が賢治の『銀河鉄道の夜』の影響を受けていることが分かり、そしてそれをモチーフとしながらも、少年の心の中の変化、つまりは心の中での成長というか少年時代との決別というような過程を読み取ることができる。私は、それまで賢治の作品の漫画化といえばますむらひろしだろうと思っていたが、この短編を読んで考えを改めたものだった。そのくらい読み手に切なさの残る種明かしがあるからである。しかし、それを主人公の成長へとつなげていくだけの終わり方がこの作品にポジティブな力を与えている。スモッグで星を見ること、星の見えることが当り前でなくなった時代に、人は何を想い、何を夜空から得ようとするのだろう。

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