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抵抗の新聞人 桐生悠々

書誌

author井出孫六
publisher岩波新書
year1980
price380
isbnIn-123

目次

1感想
2抄録

履歴

editor唯野
1999.2.1x読了
1999.3.18公開
2002.4.9修正

これは戦前にファシズムや軍部の台頭に抗した一人のジャーナリストの伝記である。地方新聞としては今日でもある程度は著名な「信濃毎日新聞」の主筆として腕をふるった桐生悠々という人の行き様を扱ったもので、孤高のジャーナリストの姿をまっすぐに追ったなかなかの本となっている。とはいえ、悠々は加賀の生まれで彼が信州に赴くこととなるのはずっと後年のことだ。これが、同郷の文学者である徳田秋声との対比を絡めながら論じられている。

今日においてもジャーナリストといえば一種の花形職業であるといえるのかもしれないが、こういう人物が過去にいたことを知ると「言論の自由とは何なのだろうか」と考えさせられてしまう。当たり前のもののありがたみは、こういう著作によってこそ知ることができるという意味での典型的な本だろう。

抄録

3-4

明治・大正の知識人は「人生如何に生くべきか」を国家との対立関係で考える必要がなかった。それにひきかえ、昭和という時代には、もはや国家もしくは政治と無縁なところで「人生如何に生くべきか」を考えることが許されなくなった-/-

12

禁門の変の前夜に前田慶寧は金沢に引き返してしまう。結局は、これが加賀百万石の維新に遅れを取る全ての発端となった。

24-25

悠々は既に金沢においてジャーナリストとしての端緒とでもいうべき出会いをしている。それが、信毎の初代主筆となった赤羽万次郎(この人は長野の松本の人で改進党系の新聞で論説をふるう)との出会いであった。

27

自由党の士族民権に対する改進党の雰囲気が維新に不満を持ちがちな旧加賀藩では残っていた。

28

悠々が主筆として迎えられた「信濃毎日」「新愛知」は共に政友会系の地方紙だった。が、彼は政友会に対しても批判的であった。

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